モンゴル箏(ヤトガ)の紹介

モンゴル箏について

2013-04-29

モンゴル箏(ヤトガ)についてご紹介します。


モンゴルにはヤトガにまつわるこんな言い伝えが残っています。

・・・むかし愛し合った男女がおり結婚の契りを結びました。しかし男は兵士になって戦いへ駆り出されました。戦場へいった男を女は待ち焦がれ、毎日深い悲しみに沈んでいました。男が兵役から戻ってくると深い悲しみ落ちた女はなんと数年前に病死していたのです。
悲しんだ男は残してあった女の髪の毛を結び13弦の奏でる楽器を作りました。それがヤトガの起こりです。


IMG_0034[1].jpg

ヤトガの音響的機能について
弦と共鳴胴の間に、柱(じ)を立てて調弦する楽器で中国の古箏Guzheng(Zheng)をはじめ日本のKoto、モンゴルのYatga、朝鮮の伽倻琴Gayageum、ベトナムのĐàn tranhなどと基本的には同系のものです。チューニングも柱の移動で自在なのであらゆる音階の楽曲に適応します。

ヤトガはもともとは13弦でしたが音楽表現をより豊かにするため21弦のヤトガが製作されました。現在では13弦と21弦の両種が使われています。今日的な用法ではYatgaの最も一般的なタイプは、21弦バージョンです。 このタイプは"Master Yatga"と呼ばれています。 フルサイズの楽器の長さは1.62メートルまたは63インチとなっています。
なお13弦のバージョンは"Gariin Yatga(手のひらサイズの箏)"と呼ばれています。

弦は以前は絹糸が使われていましたが今日ではスチール芯にナイロンを巻いたものが一般的に用いられています。共鳴胴は硬い紅木で作られ大変重くなっています。よい紅木を使っている箏ほど重量が重いと言われています。
モンゴルの伝統音楽は基本的に C、D、E、G、A の五音音階であり調弦はその五音に基づいています。
演奏では日本の箏と異なり箏爪をつけずに素手で演奏します。そのため練習では手の豆がつぶれ血が出てしまうことも・・・。モンゴル箏演奏者の指先の皮は例外なく厚くなっています。